苔の小径へ(圓光寺:京都)

10月に京都の詩仙堂,圓光寺,銀閣寺の苔庭を訪ねました。
紅葉の前なので,比較的落ち着いた雰囲気の中で苔のある景色を満喫。
東山にある圓光寺を紹介します。
(京都 2020-KT03⑤:2020年10月)

圓光寺へ
詩仙堂から少し北に向かって歩いて,圓光寺まではほんの数分。
池泉回遊式庭園の「十牛のじゅうぎゅう庭」や,枯山水の「奔龍庭ほんりゅうてい」があることで知られている。

このお寺は,江戸時代に徳川家康が伏見に建立し,圓光寺学校としたことが始まりで,現在は臨済宗南禅寺派の寺院。
1667年に現在地に移転,紅葉が有名なので,この時期に多くの人が訪れるらしい。
裏山には徳川家康の歯を埋葬した東照宮があり,ここから洛北を一望することができる。

山門前の小さい庭がすでにいい感じ。
と,その前に,道路わきの水路と石垣が醸し出す苔感が良さげです。

山門を抜けると右側に受付があり,その先は奔龍庭に続く参道。

階段を上ると,枯山水の奔龍庭。
左側の石組みが竜の頭で,そこから右へ連なる石組みと苔築山が背中。
背中付近に立つ石柱は,周囲に光る稲妻を表しているとか。
この庭は平成に造られたもので,どこかモダンな感じ。

じっくり見ているうちに龍が見えてくるような,そんな気が・・・。
それでも,だんだん苔築山が気になって。
奔龍庭から本堂へ向かう小さな門の前にも苔景色。

門を入ると「十牛の庭」が広がる。
左手が本堂入口。
その手前に盃型の手水鉢を使った水琴窟があり,竹筒に耳を傾けると心地よい音色が聞こえてくる。
このサルスベリ(たぶん)も凄いですね。

本堂に入り,十牛の庭。
人が少なかったので,瞬間的に貸し切り状態。

さらに奥には,井戸やつくばいがある小さな苔庭も。

しばし,屋内から庭を眺めて,いよいよ苔庭の探索へ。
本堂に近い側が「十牛の庭」。
その奥には,洛北最古という栖龍池せいりゅうちのある「昇竜の庭」。

回遊式なので,池の周りをまわることができ,いろいろな苔景色が楽しい。

さらに,奥に続く小径があり,途中には鐘楼が。
階段を上っていくと,東照宮と東照大権現(徳川家康)のお墓がある。

失礼ながら,お墓の周りの苔に目が行ってしまう。
少し先からは,洛北が見渡せる場所も。

戻り道は,孟宗竹の林の中を通って降りていく。
ここは,「応挙竹林」と呼ばれ,円山応挙が訪れたとされている。
竹林自体も良いけれど,苔景色もまた良きかな。

十牛の庭に戻って,唄が詠まれた石碑や灯籠など苔景色を楽しんでいると・・・。
ありました,ありました,小さいお地蔵様。
忘れていたので見落としてしまうところでした。

いろいろ見て回って,苔模様を楽しめました。

圓光寺のコケ巡りは,おおむね1時間でした。
人が少なくてゆっくりと苔の景色を楽しむことができました。

続きは,「苔の小径へ(銀閣寺:京都)」で。

タイトルとURLをコピーしました