苔の小径へ(妙心寺 桂春院:京都)

京都の洛西にある妙心寺(退蔵院,大心院,桂春院)の苔庭を訪ねました。
この数日は比較的暖かく,前夜からの雨も出かけるころには小止みになり,苔を見るには最適のコンディション。
最後に桂春院を紹介します。
(京都 2021-KT01③:2021年2月)

桂春院(妙心寺)へ

大心院から北に向かうと桂春院。
門には「苔庭」と書かれてあり,中に広がる苔っぽさから期待が膨らみます。

中に入って初めの庭は,方丈北側にある「清浄せいじょうの庭」
庭に面した柱には庭の名前が書かれた札があります。
手前にある枯滝の石組からの流れをあらわす枯山水。
奥の花頭窓のある通路の下も庭になっていて,その先にある「侘の庭」に続いています。

次に,書院の東南側にある「わびの庭」。
こちらは,立派な苔庭が広がっています。
庭奥には「梅軒門」,見た感じではまだ新しげ。
数年たって,屋根が苔もりもりになるといいですね。

梅軒門から先が,方丈の東側にある「思惟しいの庭」。
門から飛石が続いていて,大きめの石が坐禅石。
左右の築山や飛石の周りには,やっぱり苔ですね。

先へ進むと方丈の南側に面した「真如しんにょの庭」。
縁側のすぐ前にはツツジの大刈込があり,生垣との間には一面の苔。
生垣の向こう側には楓の木があり,紅葉は素晴らしいみたい。
方丈の西側の端から庭に降りられ,生垣の向こう側にある小径を散策できます。

方丈から降りて階段を下ると,一面の苔の中を小径が続いています。
いいですねえ,この感じ。
生垣の際には水路が掘られていて,ここも苔ですね。

小径の途中には,三尊石などの石組みも。
苔に覆われて風情のある石の面々,思わず見入ってしまいます。

石灯篭,庭石,水辺にも,苔が広がり豊かな表情を見せてくれます。

当然ながら,庭の木々にも苔の世界。

妙心寺は街中にある寺院ですが,境内にある多くの塔頭にはそれぞれに魅力ある庭園があり,静かな空間が広がっているのでしょう。
常時公開されているのは,今回訪れた3か所だけのようですが,それぞれの庭園で苔の景色を楽しめました。
最後に訪れた桂春院では,苔の小径を歩くことができ大満足。

これで,今回の京都行きでの苔の小径の紹介は終わりです。

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