苔の小径へ(三千院:京都)

12月初めに京都大原の三千院,寂光院を訪ね,わずかに残る紅葉と苔の織りなす景色を楽しみました。
大原には苔を見るのが楽しみな寺院がいくつかありますが,今回は三千院と寂光院の2か所を巡りました。
余裕があれば周辺も広く散策してみたいものです。
この日の京都は朝方まで雨でしたが,大原に着くころには薄日もさしてきて苔を見るにはちょうど良い感じ。
はじめに三千院に向かいました。
(京都 2021-KT04①:2021年12月)

三千院へ
大原バス停から「呂川りょせん」沿いの道(大原女の小径)を上っていきます。
紅葉もほんの少し残ってはいますが,ほぼ終わりですね。
もっとも,紅葉で人が多い時期を避けて来ているので仕方ないですけど。
この寺院は,伝教大師最澄が比叡山延暦寺を建立した時に,比叡山東塔南谷に草庵を構えたのが始まりとされ,明治維新後に大原の地に移り「三千院」と称されるようになったとのことです。

雨の後ということもあり,道沿いには苔っぽさが溢れています。

川岸から伸びている枯れ木の表面では,苔や地衣類とキノコのせめぎあってました。
道沿いの石垣に溢れる苔,苔,苔・・・。

寺院を囲む石垣は「穴太あのう積み」と呼ばれ,重厚で頑強なつくり。
城郭などに使われているそうです。
その石垣が見えないほど苔に覆われていて圧倒されます。

それにしてもみごとな苔模様。
わくわく感がたまりませんね。

石垣沿いに進むと見えてくるのが御殿門。

この門を入り左手に進むと拝観入口。
ここから建物に入ります。
まずは中庭の苔模様。

さらに進んで,客殿の前に広がる池泉回遊式の庭園が「聚碧園しゅうへきえん」。
枯れ葉が多くて雑然とした感じですけれど,良く見ると苔だらけ。

廊下を進み本堂の「宸殿しんでん」へ。
途中には,また中庭があり苔模様が広がっています。

宸殿の前に広がるのは池泉回遊式庭園の「有清園ゆうせいえん」。
杉木立の中に広がる苔のじゅうたんは見事ですね。
木漏れ日が差し込んできて,わずかに残る紅葉と苔が織りなす幻想的な景色に魅了されます。

宸殿から庭に降りられます。
まっすぐな小径の先にあるのが「往生極楽院おうじょうごくらくいん」。
ここには国宝の阿弥陀三尊像が納められています。
ちなみに宸殿側から見えているのは往生極楽院の裏手です。

往生極楽院の周囲は歩くことができ,木立ちの間や弁天池の周りには様々な苔模様が広がっています。

木立ちの先にあるのは「朱雀門すざくもん」。
往生極楽院が本堂だったころは,この門が正門だったらしい。
落ち葉に埋もれる苔景色を見るのは,ちょっと珍しいかも。
この後ていねいに清掃されるのでしょうね。

苔の庭には風格のある石灯篭も。
・・・苔をまとって素敵ですね。
周りには「わらべ地蔵」が苔に埋もれるように佇んでます。

庭園をあとにして,弁財天横の石段を上り金色不動堂や観音堂を巡ります。
石段脇や「慈眼じげんの庭」など,あちらこちらに苔模様が。

観音堂から石段を下り,北側を流れる「律川りつせん」沿いの小径へ。
岸沿いには小さなお地蔵さまが並んでいます。
リーフレットでは「おさな六地蔵」とありますが,もう少し多くいらっしゃいます。
苔の衣をまとっているようなお地蔵さまも。

ゆっくりと時間をかけて境内をめぐり,苔景色を堪能しました。

このあとは寂光院へ。
わずかに紅葉が残る大原女の小径を,呂川沿いに下ります。

三千院に来たのは久しぶり。
境内の様子などすっかり忘れていたのでとても新鮮でした。
門前の石垣に広がる苔のもりもり感からテンション上がりっぱなし。
柔らかな光の中に広がる幻想的な苔景色。
律川沿いに佇むおさな六地蔵の苔模様・・・などなど。
とても楽しいひと時を過ごすことができました。

続きは「苔の小径へ(寂光院:京都)」で。

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