12月初めの京都で三千院と寂光院を巡りました。
三千院を訪ねたあと,大原女の小径を戻る途中の喫茶店でちょっと珈琲タイム。
ひと休みしてから,ほとんど紅葉が終わったひなびた風景の中を寂光院に向かいました。
(京都 2021-KT04②:2021年12月)
『 寂光院へ 』
大原バス停から西への小径を行くと高野川沿いに出ます。
橋を渡って,今度は支流の草生川沿いにある畑を見ながら歩きます。
寂光院は天台宗の尼寺で,594年に聖徳太子が建立したとそうです。
1185年に入寺した建礼門院徳子が,源平の合戦で敗れた平家一門と安徳天皇の菩提を弔うために過ごされたことで有名です。
この時に仕えていた阿波内侍が「大原女」のモデルなのだそうです。
川沿いの途中に「朧の清水」と呼ばれる泉が。
水草もあるし,苔っぽいので今も湧いてるのかな?
さらに進むと,大原西陵(建礼門院陵)に向かう石段の小径。
今度来たときは行ってみてもいいかも。
少し行くと寂光院の入り口。
右側に受付があり,その先には石段が続いている。
石段と立ち木に苔っぽさが。
石段の先に山門が見えてくると,その手前に・・・
おおおっ,苔に覆われた門が。
この屋根は凄いことにってますね。
奥の建物の屋根も。
・・・ちょっと感動。
ここを入ると奥に茶室「狐雲」が見えます。
ようやく山門です。
奥には本堂が見えています。
本堂の右手前には豊臣秀吉が寄進したとされる「雪見燈籠」が。
宝珠や傘を覆っているのは地衣類ですかね。
・・・苔でないのがちょっと残念。
本堂の東側には「四方正面の池」。
池の周囲のどちら側からでも正面に見えるように植栽されているらしい。
池の奥には三段に分かれた小さな滝(玉だれの泉)。
本堂前の西側には,「汀の池」「姫小松」「汀の桜」「諸行無常の鐘楼」などからなる庭園があり,苔模様が広がります。
ひと回りしたら西門から出て,木立ちの中を建礼門院が住まわれていた庵の跡へ向かいます。
今は石碑と井戸の遺構が残っているだけです。
(建礼門院徳子御庵室跡)
井戸跡の周辺は,一面に苔景色。
この辺りは木立ちの中ということもあり,苔っぽさがいいですね。
寂光院は小さな寺院なので30分ほどで見て回れます。
短い時間でしたがゆっくり苔景色を楽しみました。
帰り道で,小さな屋根に広がる苔模様を見つけました。
寂光院は三千院周辺に比べて静かな感じ。
庭園なども広くはないけれど,あちらこちらで苔模様を楽しむことができました。
大原には他にも小さな寺院があるので,次に来るときには,もっと時間をかけて見て回りたいものです。
これで,12月の京都での苔の小径の紹介は終わりです。