苔を育てて3年…思い通りにはならないけれど/コケリウムⅠ

2022年12月のコケリウム
コケリウムを始めて約3年。
水槽の中は茶色が目立つ枯れた苔模様になってしまいました。
緑々とはしてなくて・・・
想像していたのとは違って・・・
かなり貧弱な苔模様ですが・・・
これはこれで気に入ってますけど・・・
けっして負け惜しみではなくて・・・
冬の京都の苔庭っぽさみたいな・・・

冬の苔庭と言えば,ブログタイトルの背景は祇王寺の2月の苔庭をアレンジしたものです。
冬だから枯れた茶色が入り混じって落ち着いた色合いに。
緑々した苔はエネルギッシュで良いけれど,冬の苔庭のひなびた感じも好きですね。
・・・雰囲気がちょっと似ているということで。

コケリウムを作ろうと思い立ったのは3年前。
どうなることかと思いきや
・・・1年目はほぼ順調に成長
・・・2年目の夏頃から,全体的に成長が悪くなり
・・・春になれば回復するかと期待したが
・・・ずっと変わらず低位安定
はじめた時に想い描いていたようにはなっていないけれど,苔を眺めているだけで癒されています。
でも世間一般からすると,
「いわゆるコケリウムとしてはどうよ?」ってなりますよね。
ということで,反省も含めてこれまでを振り返ってみます。
(初めの頃の様子は 苔を育てて1年が過ぎ/コケリウムⅠ

5か月 経過(2020年6月)
水槽を設置した時は,9種(ヒノキゴケ,アラハシラガゴケ,スナゴケ,シノブゴケ,コスギゴケ,コツボゴケ,オオカサゴケ,コウヤノマンネングサ,フジノマンネングサ)でスタート。
1か月後に3種を追加(ホウオウゴケ,ツルチョウチンゴケ,タマゴケ)。
3か月過ぎた頃からは成長も良くて,
コケリウムなんて簡単!
・・・って思ってました。

1年 経過(2021年2月)
初めての夏はエアコンを効かせて暑くなりすぎないようにしていました。
それでも元気がない感じで,葉先が枯れるのが目立ってきたのは暑さのせいでしょうか。
少し心配していたものの,11月頃から調子が良くなってきて,1年経過した時点ではなかなかいい感じに。
右奥の石上のコツボゴケがモリモリで,水の流れはほとんど見えなくなってしまった。
ここまででの様子ではコスギゴケ,コウヤノマンネングサ,フジノマンネングサ,アラハシラガゴケ,タマゴケは,この水槽では難しそう。
スナゴケもだめかと思っていたけれど,この後盛り返してきて意外な展開。

1年半 経過(2021年9月)
2回目の夏を過ぎた頃・・・
またまた葉先の枯れが目立っていて,なんだか殺伐とした感じ。
元気なのはシダぐらい。
やはり,夏の暑さがきついのかも。
この年は日中に冷房をかけていないことが多く,暑い日には35℃ぐらいまで上がっていたと思う。
「コケリウムなんて簡単かも」なんて思った自分が恥ずかしい・・・。
とりあえずトリミングして様子を見ることに。
中央で枯れてしまったアラハシラガゴケを取り除き,新たに小石を追加しました。

コケの枯れぐあいは・・・

 コツボゴケ
  …葉先枯れるが元気
 シノブゴケ
  …全体が枯れ,僅かに生き残る
 ヒノキゴケ
  …葉先枯れるけどまあ元気
 ツルチョウチンゴケ
  …全体が枯れ,僅かに生き残る
 ホウオウゴケ
  …葉先枯れるけどまあ元気
 オオカサゴケ
  …全体が枯れ,かろうじて地下茎が生きてるかどうか
 コウヤノマンネングサ
  …全体が枯れ,僅かに生きている
 フジノマンネングサ
  …全体が枯れる
 アラハシラガゴケ
  …全体が枯れる
 タマゴケ
  …全体が枯れ,僅かに生き残る
 コスギゴケ
  …早々と枯れてしまった
 スナゴケ
  …全体が枯れたが新たに再生した

2年 経過(2021年12月)
秋から冬になってやや回復したものもあるが全体に元気がない。
この環境で生き残れるコケを見極めようかと,なかばあきらめの境地。

3年 経過(2022年12月)
この1年は何とも言えない成長(低迷)ぶり。
新しい芽が伸び始めても葉先が枯れて成長が止まることの繰り返し。
まあ,ひなびた感じも気に入っていますけど。
水カビが生えるのが嫌なので,風通しを良くしようと水槽上部の長辺2か所を3cmぐらい開けているのが良くないのかも。
ちなみに霧吹きは1日1回程度。

水の流れのある景色
始めた時に水の流れを作りたかったので循環ポンプを設置しました。
右奥の大きな石の上と左奥の石積みの間から流れ出るように。
コケの生育は思うようにいってませんが,水の流れは維持できているのでこれは満足。
石伝いに流れ落ちているのがお気に入りです。
コツボゴケが石の上に密生し仮根で全体が覆われてしまうので,水の流れが見えなくならないように,ときどき仮根を除去しています。
左奥からの流れも維持できているようで,石積み周辺の苔の根元は常時湿っています。
残念ながら苔に覆われているので流れは見えませんが。

1年過ぎた頃に石の上(右奥)からの流れが止まってしまいました。
原因として考えられるのはフィルターやチューブの目詰まりかポンプ能力の低下。
ポンプを取り出してメンテナンスしても改善せず。
チューブを掃除・交換するのは大変なので,ポンプを取り換えることにしました。
(「エーハイム コンパクトオン300」→「同 600」)

この水槽の水ですけれど,始めてから3年経ちますが一度も交換していません。
減った分を水道水で補充しているだけ。
水が悪くならないようなので,生物ろ過が効いているみたいです。
これなら何か飼えるかも・・・
水槽掃除もかねてヌマエビを入れるかどうかを思案中。
水深が7cmほどあるので,エビが動ける場所の水量としては2リットルぐらいありそう。
どこかで採ってこようかしら。

この水槽で育てられる苔は?

〇 なんとかなりそうな苔
 コツボゴケ
 ヒノキゴケ
 ホウオウゴケ
 スナゴケ
△ 微妙な苔
 シノブゴケ
 ツルチョウチンゴケ
 タマゴケ
▲ 無理そうな苔
 コウヤノマンネングサ
 フジノマンネングサ
 アラハシラガゴケ
 オオカサゴケ
 コスギゴケ

環境について:3年間育ててみて
明るさ
室内の窓際から離れたところに水槽を置いています。
照明には「コトブキ フラットLED SS3042 」(全光束380lm)を使用し,ガラスの蓋越しに照射。
照射時間は9時間(タイマー使用,今は8:00~17:00)。
苔までの距離は10~25cm程度。
半日陰を好むコケであればこれで十分な感じ。
スナゴケは増えるし枯れないけど伸長してこないので,明るめを好む種にはいまいち光量不足かもしれない。
別の水槽(コケリウムⅡ)では「ジェックス クリアLED リーフグロー 」(300lm,6500K)を使用していますが(ガラス蓋越しで10~20cmの距離),こちらも問題なさそう。
ちなみに「フラットLED SS 2032」(190lm)も持っていますが,これはさすがに光量が少ないようで浅い水槽(コケまでの距離10cm程度)で使用しています。
照度計を持っていないので数値的には不明ですが,この水槽のコンセプトであれば今の明るさで大丈夫なようです。
湿度
初めの年は水槽上部の開口(隙間)が小さくなるようにしていたので,湿度が高い環境を好む種にはが好条件だったのかも。
ただし,この時はコスギゴケ,スナゴケ,タマゴケは枯れてしまった。
その後,水カビが発生するようになったので薬剤(ベンレート水和剤)を散布し,上部の開口を大きく(長辺2か所を3cmぐらい開けた)して空気の流れを良くすることに。
これで水カビの発生はおさまったが,葉先の枯れが目立つようになった。
また,コウヤノマンネングサ,フジノマンネングサ,オオカサゴケ,アラハシラガゴケも枯れてしまった。
一方で,一度枯れてしまったスナゴケやタマゴケは復活した。
水槽上部の隙間の開け方によっては,想像以上に乾燥してしまうらしい。
エアコンの風が当たらないようにするのも必要かな。
薬剤をあまり使いたくないので,風通しを良くしたいのだけれど,そうすると湿気を好む種はうまく育たないし・・・。
悩ましいところです。
いろいろな種を育てるのなら水槽を別にするしかないかな。
やはりコケの種類によって好適な湿度を保つことは大事ですね。
気温
春~夏(15~25℃)
室温で問題なし,コケも元気そう。
夏(30~35℃)
エアコンを利かせて日中でも30℃前後におさまるようにしておけば大丈夫そう。
葉先は少し茶色になってしまうかも,それでも9月以降の回復が見込める。
35℃まで上がる日が続くとけっこうダメージがありそうで,秋以降の回復が遅いような感じ(湿度との兼ね合いもありますが)
秋~冬(20~10℃)
室温で問題なし,冬でも元気そう。

基本的には毎日1~2回の霧吹き。
使っているのは水道水。
含まれるミネラルの問題が影響しているのかどうか?
ガラス面に白く水垢がつくので,それなりに多く含まれているのかも。
上部の開放が大きくて乾燥しやすいことから,循環水や常に湿っているところはミネラル分が高濃度になっている可能性もあるし。
だとすると,精製水を使ってみようかしら。
う~ん,費用の問題が。

コケリウムは楽しすぎる
苔のある生活を始めてからもうすぐ3年になります。
種類によって好ましい明るさや湿度に微妙な違いがあることを実感しました。
やはり苔の世界は奥深いですね。

今後の改善点としては
○ 開放部の調整による湿度の維持
○ 苔が好む明るさ・湿度で水槽を分ける
○ 夏場の日中でも30℃前後をキープ
○ 水槽内の水・霧吹きには精製水を使う

これらを踏まえて,コケリウムをリニューアルしようかと考えています。
新しい苔も育ててみたいし。
電気代とか精製水とかいろいろ費用がかかりそうだけど,その分は他で節約すればいいし。
新しいコケリウムを想像するだけでワクワクしますね。

ぼんやり苔を眺めながら,次はどこに行こうかとか,いろいろ考えている時間が楽しすぎます。

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