京都の鞍馬寺と貴船神社を訪ね,春の新緑と苔の織りなす景色を楽しみました。
鞍馬寺は見どころが多かったので,
「鞍馬駅~鞍馬寺本殿金堂」と
「奥の院参道~西門」に分けてまとめてみました。
まずは鞍馬駅から本殿金堂まで。
(京都 2022-KT01①:2022年4月)
『 鞍馬寺へ 』
叡山電鉄の出町柳駅から30分ほどで鞍馬駅に。
駅を出ると,もう苔っぽさが・・・
前日が雨だったのでしっとり感が漂っています。
駅舎の屋根や古木の苔に目が行ってしまいますね。
駅から少し歩くと,仁王門(山門)。
この雰囲気,ワクワクしてきます。
鞍馬寺に伝わる「鞍馬蓋寺縁起」によると,770年に鑑真和上の高弟である鑑禎上人が毘沙門天を祀る草庵を結んだのが始まりとされ,
796年に藤原伊勢人が毘沙門天とともに千手観音をあわせて祀り,鞍馬寺の基礎となったそうです。
鞍馬山にあふれる生命の源と響きあう「大地の気」を「護法魔王尊」とよび,有史以前の「魔王尊」の降臨から信仰の歴史が始まったとされているそうです。
この「護法魔王尊」と
「水の気」の「千手観音菩薩」
「太陽から放たれる気」の「毘沙門天王」
この三身を一体として「尊天」と称し,本尊と仰ぎ信じられています。
・・・なんだかすごい。
でも,鞍馬山に惹かれて何度も来てしまうのは,こういうところにあるのかなと思ってしまいます。
石段を上ると仁王門,左右には狛虎。
拝観料を払おうかと思いきや,まだ8時30分なので受付に人がいなくて・・・
お寺の人らしき人がいたので聞いてみると,貴船側の出口で支払ってもらえればよいとのことでした。
ちなみにこの寺の場合は愛山費といって,お山自体を尊天のご身体と考え,その清浄さと豊かな自然を守るために使わせていただいているということです。
門を入ると,一段と苔っぽさが増してきます。
右の石段を行くと「放生池」から「魔王の滝」,左へ進むと「由岐神社」。
まずは魔王の滝へ。
池の周辺には苔模様が見られますが・・・
右手の斜面には倒木が多数,かなり荒れてます。
すでに苔に覆われていますね。
さらに進むと,何やら殺伐とした景色・・・
ここには,「魔王の滝」と「鬼一法眼社」があったはずなのですが・・・
鳥居は壊れ・・・無残な姿に・・・
石樋の先から流れ落ちていたはずの滝は見られませんでした。
中央にある魔王の碑の左手前あたりに小さな龍がいたはずなのですが。
この龍が可愛くて・・・見たかったのだけれど・・・残念。
気を取り直して「鞍馬の火祭り」で有名な「由岐神社」へ。
拝殿を抜けると,京都市天然記念物の「大杉」が。
樹高約53mで樹齢800年だそうです。
幹の苔っぽさも素晴らしい。
階段を登った先にあるのが由岐神社の本殿。
本殿左奥の苔っぽさにひかれて行くと,「三宝荒神社」。
で,その右手にあるのが何だかよくわからないけれど苔っぽい。
参道に戻ると,道のわきには小さな川の流れがあって苔だらけ。
本殿に向かう参道はつづら折りが続きます。
そして,道の山側斜面には苔景色。
写真撮った時は気が付かなかったけれど,これってクラマゴケ(シダ類)?
ゼニゴケの間に埋もれているけど。
ピントが甘くていまいちわかりません。
つづら折りを進むと「中門」です。
中門を入って右へ。
ここから先は,石畳と石段です。
この石垣の苔模様もいいですね。
この石段も素敵です。
石段の途中で振り返ると・・・比叡山。
さらに進むと,ひときわ大きな石垣が現れます。
・・・苔模様がすてきな眺めです。
誰もいなかったので,顔を近づけてまじまじと見てしまいました。
他の人から見たら不思議でしょうね。
・・・苔好きあるある。
まだまだ石段が続きます。
右側にある「転法輪堂」の前に手水舎が。
おおっと,この屋根の苔模様も良いですね。
最後の石段を上ると本殿金堂があります。
本殿の前には,幾何学的な模様をした「金剛床」があります。
宇宙のエネルギーである尊天の波動が果てしなく広がる星曼荼羅を模しているとのことです。
左右に配される「阿吽の虎」は毘沙門天のお使いである神獣。
その吽形の左手に「虎石」があります。
これは令和3年に奉納された「鞍馬石」で,黒色と褐色の縞模様が虎の頭やうずくまる姿とも見えるとのことです。
苔っぽさが足りないのが残念かも。
八重桜がきれいに咲いていました。
花も素敵ですけど,幹を覆っている苔と地衣類もいいですね。
本殿の西側には「瑞風庭」があり,奥の院に護法魔王尊が降臨する様子を表しているそうです。
本殿の左奥へ進むと奥の院への参道が見えてきます。
この参道を進むと大杉権現社,義経堂などを経て奥の院(魔王殿)があり,貴船神社側の西門に出ます。
鞍馬山の中を進む道なので,どんな苔景色に出会えるのか楽しみです。
ここまででも十分苔景色を楽しみましたけど。
続きは「苔の小径へ(鞍馬寺 奥の院参道:京都)」で。