京都の鞍馬寺と貴船神社を訪ね,春の新緑と苔の織りなす景色を楽しみました。
叡山電鉄の鞍馬駅でおりて鞍馬寺へ。
本殿金堂までを見終えて,さらに奥の院への参道をたどり西門までを歩きました。
(京都 2022-KT01②:2022年4月)
『 奥の院(鞍馬寺)へ 』
本殿金堂の先にある奥の院への参道入口。
ここまでおよそ1時間30分。
苔を見ながらだとどうしても時間がかかってしまいますね。
まあ,それが楽しいんですけど。
石段を上り参道を進むと苔景色にひたれます。
少し行くと「霊宝殿」があります。
この日はあいにくの休館日。
毘沙門天立像(左手を額にかざし平安京を見守る珍しい立像)が見たかったのですが。
・・・ちょっと残念。
霊宝殿の先へ進むと「地蔵堂」。
一面に広がる苔模様に,再びテンション上昇中。
途中,倒木が輪切りにされていました。
断面は苔で縁取られている不思議な模様。
そういえば,切り株も同じ苔模様になってますよね。
なんでかしら?
こちらはキノコとのコラボ。
あちらこちらに倒木が見られます。
これも自然な姿ですね。
本殿金堂から500mほど行くと「木の根道」があり,そちらを進むと「大杉権現社」へ。
硬い地質のため杉の根が地中に入り難く,地表を這うようになったとのこと。
・・・芸術的な景色です。
木の根を踏まないように進みます。
うっそうとした杉木立の中に「大杉権現社」があるはずなのですが・・・
なんだか異様に明るい景色になってました。
・・・御神木が無い。
(樹齢1000年の大杉が昭和25年の台風で中ほどで折れ,残った15mほどの根幹が御神木としてあった)
御神木や拝殿は,2018年(平成30年)の台風で倒れてしまったらしいです。
参道に戻り奥の院へ向かいます。
ここからは下りっぽい。
石段のわきには,切断された倒木に広がる苔模様。
よく見ると蒴がたくさん立ち上がっています。
その蒴には水滴が・・・
こういうの見たかった。
・・・かなり嬉しいかも。
苔模様が続く参道を進むと,やがて見えてくるのが「不動堂」。
この辺り一帯は森厳の気が満ちる「僧正ガ谷」と呼ばれています。
さらに進むと「義経堂」。
苔をまとう巨木に目が行ってしまいます。
このモフモフ感がいいですね。
この切り株は断面全部が覆われています。
何年ぐらいでこうなるのかしら。
鞍馬山一帯は古くから社寺林として守り継がれています。
人の手の加わらない自然は複雑な森林生態系を形成し,義経堂から奥の院あたりは「極相林」だそうです。
林の中を進むと奥の院である「魔王殿」。
ここまでが鞍馬寺の見学ルート。
ここから先は下りの石段が続きます。
西門までは約600m。
幹が折れ残った根幹は,苔をまとって威厳ある姿を見せてくれます。
他にもいろいろな苔模様が広がってます。
鞍馬山でも2018年の台風による被害が相当あったようで,あちらこちらに倒木を整理してありました。
たった4年でこんなに苔に覆われてしまうのかしら?
そうだとしたらすごいですね。
最後の石段を下ると鞍馬寺の西門に出ます。
振り返れば傾斜のきつい石段。
かなり苔っぽいですね。
こちら側から登るのはしんどそうですけど,いきなり苔もりもりですのでワクワクしそう。
西門に到着。
ここで愛山費を支払いました。
門を出て貴船川にかかる奥の院橋を渡って終了。
すでに鞍馬駅から歩き始めて約3時間が経っていました。
鞍馬寺を西門まで歩いたのは初めてですが,時間が経つのを忘れて楽しむことができました。
都会の街中から30分ほど電車に乗るだけで,これほど豊かな苔景色を堪能できるとは・・・京都恐るべしですね。
鞍馬山全体が保全されていることもあるのでしょうから,関係する皆様に感謝です。
それでは,貴船神社に向かいます。
続きは「苔の小径へ(貴船神社:京都)」で。