始まりは雨が降り始めた苔庭で

苔の小径 洛北の道端で

それは,京都の洛北のお寺でのことでした。

新緑の頃から梅雨が始まるまでは,風がとても気持ちいい。
そんな季節に,お寺の庭を眺めながらのどかなひと時を過ごせるのはしあわせです。
その日は,他に訪れる人も無く,静かな雰囲気の中で長居してしまいました。

一週間ほど良い天気が続いたので少し乾き気味でしたが,いつの間にか,ポツリポツリと雨が降りだしています。
木々の緑がしっとり見えてきたのをぼんやり眺めていると,いつもとは何かが違うような・・・。
なんだか庭の色合いが緑に・・・。
雨が降りだす前は,もっと乾いて茶色っぽかったはず。

そう,・・・苔の色が違う・・・。

苔が,脇役から主役に変わった瞬間でした。

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