苔の小径へ(建仁寺:京都)

6月上旬に,京都の青蓮院,白龍園,建仁寺(本坊,両足院)の苔庭を訪ねました。
今年は5月以降に30mm/日以上の雨が何度もあり,直前にも40㎜/日以上の雨が降ったので苔を見るには絶好のコンディション。
例年より早めの梅雨の季節に「建仁寺」を訪ね,「潮音庭」などの苔庭を楽しみました。
(京都 2021-KT02③:2021年6月)

建仁寺へ
京都でも最も賑わいがある四条河原町界隈から歩いて10分ほど。
建仁寺は京都最古の禅寺と言われており,繁華街の近くにこういう所が普通にあるなんて,ほんとに京都はすごいところです。
開山は栄西禅師(1202年)で,その後戦乱などで荒廃しますが,安国寺恵瓊や徳川幕府により再建され,明治に入って臨済宗建仁寺派の大本山となったそうです。

八坂通りに面して勅使門があり,この脇を通って境内へ。

中に入ると,6月の陽射しの中で,苔の景色は乾き気味。
三門の「望闕楼ぼうけつろう」と法堂は,見事なたたずまいを見せてくれます。

本坊に入ると,まずは「○△□まるさんかくしかくの庭」。
〇は 中央の苔の部分。
□は 井戸,
△は 井戸の反対側の砂を盛った形。
(△は,わかりづらいですね)

廊下を進んだ先には,大書院・小書院と渡り廊下に囲まれた「潮音庭ちょうおんてい」。

この庭は,四方から眺められるようになっており,「四方正面の禅庭」と言われています。
中央の三尊石と周囲の坐禅石の配置が絶妙。
小書院側から見た方が,落ち着いた静かな感じに見える気がする。

大書院側からの方が動的な感じがして,こちらの方が好きかなあ。
石の表情や苔の様子がエネルギッシュなような。
気のせい?

続いて方丈へ。
方丈の北側,西側の廊下を回っていきます。
それぞれの廊下の前には枯山水があり,苔も見られますが少し乾き気味。

方丈南側の前庭は「大雄苑だいおうえん」と言われ,北側の庭から枯山水が連なっています。
門の向こうに見えているのは法堂。
やはり自然石の周りには苔が似合いますね。

枯山水の苔は乾き気味でしたが,「潮音庭」では元気な苔模様が見られました。

建仁寺には,
俵屋宗達の「風神雷神図屏風」
海北友松の「雲龍図」襖絵
法堂の天井画には小泉淳作の「双龍図」
などもあり,こちらを見るのも楽しいです。
この日は人も少なく,ゆっくりと過ごすことができました。

続きは「苔の小径へ(建仁寺 両足院:京都)」で。

タイトルとURLをコピーしました