10月に京都の東福寺,芬陀院,光明院の苔庭を訪ねました。
紅葉の前なので,比較的落ち着いた雰囲気の中で苔のある景色を満喫。
初めに東福寺を紹介します。
(京都 2020-KT03①:2020年10月)
『 東福寺へ 』
東福寺は,方丈にある八相の庭や市松模様になった苔庭が有名で,この苔を見にいくことに。
それと,以前東福寺を訪ねた時に,紅葉で有名な通天橋がかかる渓谷沿いに苔があった気がしたので,これも期待して。
ここは,鎌倉時代に九條家(藤原道家)の菩提寺として造営され,開山には聖一国師を仰ぎ,京都五山の一つとされる禅宗寺院。奈良の東大寺と興福寺から一字ずつを取って東福寺とされたそうで,現在の方丈,仏殿,法堂などは明治14年の火災後に再建されたものだそうです。
JR奈良線の東福寺駅(京阪電車の駅も隣接)で降りて,歩いて10分ほどの距離。
改札を出て東側に降りて駅前を南に歩く。
左手に東福寺交番がありその手前から左に入ると北門が。
ここを抜けると左手に仁王門(通れませんが)。
と,仁王門の反対側に苔に包まれた木が・・・。
テンション上がりますね~。
道なりに右左折していくと右側に東福寺通天橋道の石塔があり,そこを進むと臥雲橋に。
ここまでの壁沿いにも当然ことながら苔景色が。
臥雲橋からは通天橋が見えるが・・・
苔好きとしてはつい下を見てしまう。
下に見える三ノ瀬川の両岸には苔が・・・
と,橋の右手には苔むす木が。
こんな調子だとなかなか先に進めませんね。
再び壁沿いの苔を楽しみながら日下門へ。
さて,ようやく日下門。
ここを入ると東福寺の境内へ。
方丈に向かう途中の左手に境内全景の案内板がある。
この後めぐる順路を確認して方丈拝観入口へ・・・,
と,その手前に苔々しい古木が。
苔のまきかたが何とも言えない感じ。
方丈は左の木の後ろの建物
いよいよ方丈の庭園へ。
拝観入口から中へ入ると,方丈の周りの四方に庭園が造られている。
まず,廊下を挟んだ右手に東庭が。
白砂部には円柱の石で北斗星を表しその周囲に苔がもりもり。
廊下の反対側が南庭で「八相の庭」と呼ばれている。
南庭は枯山水で,巨石によって仙人が住むという四島を,砂紋で八海を,右奥には五山になぞらえた築山が配されている。
当然,目が行くのは苔で覆われた築山へ。
よく見ると通路に近い巨石の窪部にも苔が。
続いて西庭へ。
この庭は「井田市松」と言われ,砂地部分を細長い石で方形に区切り,井の字型に配してサツキも方形に刈り込んである。
で,その他の部分が苔で覆われていて,白と緑のコントラストが美しい。
苔は脇役だけれど欠かせない存在。
最後に北庭へ。
方形の敷石が市松模様に並べられ,隙間を苔が埋め尽くし,奥の方では敷石の上まで苔が広がっている。
(ちなみに,この苔はウマスギゴケらしい)
紅葉の時期には背景の楓が赤く染まるとのことで,白と緑と赤が織りなす色模様は見てみたいものです。
方丈の庭園はこれで終わり。
(庭園の細かい説明は,受付でもらえるパンフレットに詳しく書かれている)
方丈を後にして,通天橋と渓谷へ。
三ノ橋川沿いの渓谷は「洗玉澗(せんぎょくかん)」と言われ,上流から順に,偃月橋,通天橋,臥雲橋がかかっており,ここは紅葉の超有名スポット。
この日は,人は少なめでゆっくり見ることができる。
橋下の渓谷が洗玉澗
通天橋を渡ったら,右奥の開山堂へ。
なんの前知識も持たず門を入って・・・,
おおっ・・・。
参道の右手に広がる庭には池と苔とサツキの植え込みが美しい。
本来であれば参道の左側には普門院と枯山水の庭が広がるはずなのですが,この日は工事でシートがかかっており見られず。
この池周りのコケ模様がなんとも良さげで,
コケリウムで作りたいイメージがこんな感じなんだけど。
やはりというか,自然にできるコケ模様にはかないませんね。
通天橋の方に戻り,洗玉澗に降りていく。
どこもかしこも苔景色。
階段を降りたところが三ノ橋川にかかる小さな橋。
三ノ橋川は,石積み護岸の小さな川。
う~ん,苔々しい。
再び階段を上ると,またまた苔のじゅうたん。
ここまでが,有料でみられる方丈庭園と三ノ橋川沿いの渓谷。
最後に,三ノ橋川にかかるもう一つの橋である,偃月橋に行ってみることに。
偃月橋を渡ると龍吟庵と即宗院に行ける。
この日は公開していないので門前まで。
龍吟庵の門前から振り返ると即宗院の門と偃月橋が見えるのだけれど・・・
この一角がなんともいい雰囲気を醸し出していて,苔々しいだけでなく不思議な感じ。
人がいないせいもあるかもしれないけど,とっても得した気分。
東福寺のコケ巡りはこれで終わり。
日下門を入ってから,おおむね1時間30分ぐらい,
苔の景色を満喫して,東福寺を後にすることに。
続きは,「苔の小径へ(分陀院:京都)」で。